射精時に出血?精液に血が混じる原因と治療法は

男性妊活コラム

一般的に精液は白いものですが、たまに血が混じって赤くなることがあります。それを見て「射精時に出血したのかも!?」「精液に精子がなくなったのかも!?」と不安になる人もいるかもしれません。そのような症状は「血精液症」と呼ばれていますが、大抵はあまり気にする必要はありません。今回は精液に血が混じる「血精液症」の原因や症状、治療法についてご紹介します。

精液に血が混じる?


精液は、精巣から精巣上体や精管を通った精子と、精嚢(せいのう)や前立腺の分泌液が混ざっていできたものです。精液に血が混ざるということは、これらのどこかで出血を起こしているということになります(※1)。

血精液症は、精液がピンク色になることも、濃い赤になることもあります。これは出血の時期が新しければ鮮やかな赤ですが、古くなると黒ずむことが影響しています。また、血液の塊が混じっていることもあります。

精液が赤い!血が混じる原因と他の症状は?


精液に血が混じる原因と、その原因による症状は、主に以下のようなものがあります

前立腺炎、精巣上体炎など

前立腺や精巣上体をはじめ、精液がつくられる過程の器官に細菌が入り込み、炎症が起きます。そして炎症により弱くなった箇所が、射精時の衝撃などにより出血することがあります。

前立腺炎は、排尿時の違和感を伴うことがあります。また精巣上体炎の場合は、精巣を覆っている精嚢全体が腫れたり、しこりができることがあります。

前立腺などの結石

前立腺や精嚢の中に結石ができ、結石が動くことで尿道などを傷つけて出血することがあります。上記と同様に、排尿時の違和感などが代表的な症状ですが、血精液症の他は症状がないことも多くあります。

前立腺がん

主に40代以上の方は、前立腺にある悪性腫瘍(癌)が影響している場合があります。前立腺がんは、血尿が出たり、健康診断でPSA(前立腺の上皮細胞から分泌されるたんぱく量)が高いことがあります

特発性血精液症

「特発性」とは原因不明で発症する病気のことです。

実は血精液症の中でこの特発性血精液症の事例がもっとも多く、精液に血が混じったときの多くは原因がわかりません。血が止まりにくい体質だったり、血管がもろいことで、ちょっとした衝撃から出血してしまうこともあります。

精液に血が混じるときの治療法は?


前立腺や精巣上体に炎症が見られた場合は、抗生物質や抗炎症薬を投薬して治療を行います。

ただし、前述したとおり、精液に血が混じる原因はわからないことが多いのが実情です。一番多いのは、具体的な治療は行わず、経過観察となるケースです。

なお、精嚢に溜まった血液は、何度かに分けて排出されます。そのため、精液に血が混じらなくなるまで、1~2ヶ月ほどかかることもあります。

精液に血が混ざっても、心配しすぎないで


精液に血が混じるからといって、病気だと決まったわけではありません。痛みなどほかの症状が見られなければ、多くの場合は治療しなくても治まります。

また、血液が混じった精液で妊娠した場合も、それ自体が母体や胎児に影響を与えることはないので安心してください。

ただし、精巣上体の炎症が原因のときは性感染症の疑いもあるので、気になる場合は泌尿器科を受診しましょう。

また、年齢が40代以上であれば前立腺がんの可能性も出てくるので、早めに病院で血液検査を受けてくださいね。

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