子供をなかなか授かることができず、不妊検査を受けてみようかと悩んでいる夫婦はたくさんいます。しかし、病院で具体的にどんな検査をするのかわからないと、少し不安ですよね。特に男性の不妊検査に関しては、あまり知られていないことが多いようです。そこで今回は、女性とは内容が異なる男性の不妊検査について、具体的な内容やかかる費用、どこで受けるかなどについてご説明します。
男性不妊とは?
不妊とは「生殖年齢の男女が妊娠を希望し、一般的に1年間、避妊することなく通常の性交渉を継続的に行っているにも関わらず、妊娠できない場合」のことをいいます。
実は不妊の原因の約半分は男性にもあるとされています。
男性不妊の原因は、主に以下の3つがあります。
● 精子を作る機能に問題がある「造精機能障害」
● 精子の通り道に問題がある「精路通過障害」
● 性交渉がうまくできない「性機能障害」
これらのうち、約8割を占めるのは造精機能障害ですが、そのうち約6割は原因が特定できないとされています。
男性の不妊検査はいつ受けるべき?
晩婚化が進んでいる昨今、不妊検査を受ける夫婦が多くなっています。妊娠できない期間が1年以上あれば不妊症とみなされることもあり、そのくらいのタイミングから治療をはじめるケースが増えているようです。
不妊検査を受ける場合、まず女性から検査という場合が多いかもしれません。しかし原因の半分は男性にもあるため、男性も女性と同時に検査を受けたほうが、その後の治療がスムーズに進むのは間違いありません。
男性不妊の検査はどこで受けるの?
一番多いケースは、女性パートナーと一緒に産婦人科を訪れ、精液検査を受けることです。精液検査によって、精子の数や運動率などの数値を調べることができます。
もし精子の数が少なかったり、運動率が悪かったりした場合は、詳しい検査を受けることもできます。その際は、泌尿器科を紹介されます。まだ数としては少ないものの、施設によっては泌尿器科で「男性不妊外来」を設けているところもあります。
なお、検査の結果、不妊治療を専門としているクリニックや病院との連携がとられることもあります。
男性の不妊検査にかかる費用はどのぐらい?
男性の不妊検査のうち、産婦人科でも受けられる基本的な精液検査であれば、保険適用により1回あたり300~1,000円の自己負担額で受けることができます。
初診時に問診や超音波検査などの基本的な検査もあわせて受けた場合は、7,000~10,000円程度かかることが多いようです。
そのほかの詳しい検査は保険対象外となるものが多く、それぞれ数千円~数万円とバラつきがあります。検査内容や施設によっても異なるため、不妊検査を考えている場合にはあらかじめ確認しておくと安心でしょう。
不妊に悩んだら、男性も検査を受けてみましょう
不妊検査というと、「女性が産婦人科で受けるもの」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、男性も一緒に不妊外来で精液検査を受けることができます。
ただしストレスやプレッシャーなど、心理的要因によっても検査結果は変動してしまうので、1回の検査で良くない数値が出たとしても、あまり思いつめないでくださいね。
産婦人科に足を踏み入れにくいと思う場合や、さらに詳しい検査を受けたい場合には、泌尿器科での受診をおすすめします。パートナーと相談のうえ、男性も不妊検査を検討してみてはいかがでしょうか。